| 齢20を過ぎて初めて日常的に本を読むようになった読書の初心者の、気ままな読書履歴です。ミステリ中心。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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新しい記事を書く事で広告が消せます。 yanbal1915 at --:-- スポンサー広告 Top↑ 2008.07.30 Wedさよなら妖精
ようじょようじょと声高に叫んだ後にこの本を紹介することになるのは何の因果か。
ようじょようじょと声高に叫ぶような奴が紹介していいような本じゃない、そんなある種の気高ささえ感じさせる本です。
以前紹介したインシテミルを読んで以来、著者の米澤穂信氏は私にとってどうにも気になる存在になっていたのです。 ただ、なぜ気になるのか、いまいちはっきりとした理由が分からない。 そんな惹きつけられる「何か」を探して著者の最高傑作との呼び声の高いこの作品を手にしたのですが… うん、断言しよう、傑作だわ。 最高傑作かどうかはまだまだ読んでいない作品がたくさん残っているんで分からないですが、傑作なことは間違いないですよ。 そして、なぜ米澤穂信氏の作品に惹きつけられるかも分かった気がします。 インシテミルの、私の心を強烈に引き付ける設定を目にして、「この人は何かをやってくれる」という期待感を抱いていたんですね。 そして、このさよなら妖精で、期待が確信に変わった。 もうね、他の全ての作品を読まずにはいられないですもん。 ホントすごいもんを書くなぁ。 さてさてやれ傑作だのすごいだのと喚いていますが、この作品の面白さについて、具体的に語っていきたいと思います。 この作品は、ジャンルとしては一応ミステリに入るのでしょうか。 創元推理文庫だし、帯にも「不朽のボーイ・ミーツ・ガール・ミステリ」と銘打たれていますしね。 ただ、ミステリといっても人殺しなどを扱った血生臭いものではありません。 文庫の解説を引用するならば、日々の暮らしに転がる小さな謎にスポットをあて、そこに意外な真相を読み取る「日常の謎」派に属する作品です。 ユーゴスラヴィアからやってきた好奇心旺盛な少女、マーヤ。 彼女がことあるごとに主人公達に「なぜなにどうして?」と問いかけることによって、日常の謎の問いかけとそれに対する推理がごく自然に行われるようになっています。 そんな小さな謎でジャブのように攻めてきて、中盤、主人公たちが直面している最大の謎が明らかにされる。 その謎を解き明かすこと、それこそが読者にとっても最も重要で、最も興味のあること。 それは分かっているのに、解きたくないんですよ。 しょうもなさすぎてそんなの解くにも値しないとかいう意味じゃ断じてないです。 自分では解きたくないし、主人公たちによって解かれたくもないー真実を、認めたくないから。 ユーゴスラヴィアがどうなったか、多少なりとも世界史を勉強したことがある人なら、あるいはニュースを聞いたことがある人なら知っていますよね。 その知識と、この本の目次と、タイトル。 これだけの情報があれば、物語がどういう結末を迎えるか想像できてしまうわけですよ。 想像できるからこそ、謎を解きたくないし、先を読みたくない。 でも、想像できるからこそ、解かずにはいられないし、読まずにはいられない。 …米澤穂信、恐ろしい子! 登場人物が全員魅力的で、高校生の全能感と無力感がひしひしと伝わってくるこの作品は、ミステリとしても青春小説としても、間違いなく一級品です。 ミステリって、結構簡単に人が死んでしまいますよね。 安易に感動を狙おうとしてる作品って、結構簡単に人が死んでしまいますよね。 でもね、人の命って、やっぱりすごく重いんです。 マーヤは言います。「哲学的意味はありますか?」と。 私は言います。少なくとも、この作品にはあるーと。
テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌 Comment
初めまして Posted by nekolin
ミステリ系のブログを探していて、ここにたどり着きました。
米澤さんの本は、「インシテミル」と「春季限定いちごタルト事件」を読みました。 「さよなら妖精」読んでみたくなりました^^ ところで「米澤穂信、恐ろしい子!」は、主人公の名前マーヤから連想した、「ガラスの仮面」の、月影先生の台詞のパロディでしょうか…^^;
2008.08.22 Fri 21:32 URL [ Edit ]
Posted by yanbal1915
>nekolinさん
Posted by 藍色
初めまして、コメントありがとうございます。 さよなら妖精は春季限定いちごタルト事件と同様に日常の謎を扱ったミステリなんですが、全然違った趣があって面白いですよ。是非一度読んでみて下さいな。 そして「米澤穂信、恐ろしい子!」についてですが…これはおっしゃる通りです。 ガラスの仮面のこの台詞は有名でかつすごく使いやすいんで、ついついネタが思いつかないときに使ってしまいがちです。 ちなみに「これは実はこういうネタなんだぜ!」と自分で解説するのはすごく気恥ずかしいものがありますんで、今後は何かパロディっぽいものを見かけてもそっとしておいて頂けるとありがたいですw ごぶさたでした。
Posted by yanbal1915
最後に明かされる真実、切なかったです。 ほろ苦い後味が残りました。 アヒルと鴨のコインロッカー とこちらに トラックバックさせていただきました。 >藍色さん
コメント&トラックバックありがとうございます。 返信が遅くなってしまって申し訳ないです; 米澤さんの作品の中でも特にさよなら妖精はほろ苦い後味が際立っていますよね。 アヒルと鴨のコインロッカー もそうですけど、謎が明らかになった時にほろ苦さを感じる作品は個人的に大好きです。 TrackBack
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ブックデザインは岩郷重力+WONDER WARKZ。カバー写真はKAZUYA YOSHINAGA。
東京創元社・ミステリ・フロンティア。
一九九一年四月。ユーゴスラビアか...
粋な提案 2009.06.01 Mon 18:09
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