齢20を過ぎて初めて日常的に本を読むようになった読書の初心者の、気ままな読書履歴です。ミステリ中心。
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クドリャフカの順番 クドリャフカの順番
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愚者のエンドロール 愚者のエンドロール
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yanbal1915

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2008.09.29 Mon
遠まわりする雛
当ブログでは九月の半ばあたりからひたすら米澤作品の感想を書いてきたわけですが、それも今回で終わりです。
これで既刊全作品制覇ですからね。
まぁ、まだ短編や特集など書くべきネタはあるんですけどもーもう、ゴールしてもいよね?


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米澤 穂信

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古典部シリーズの第四作目。
これまでのシリーズの表紙がどれも学校の中の風景だったのに対して、今回は学校の外の風景です。
そこから想像がつくように、今回の舞台は学外。
主人公の奉太郎が高校に入学し約一ヵ月が経過した四月末から、 新年度を目前に控えた翌年の春休みまでー古典部の高一時代を描いた短編集です。
表題作の遠まわりする雛以外の短編は野生時代などに掲載されていたものですが、雑誌掲載時とは違って時系列に並べられたことで主人公の心情が時間とともに徐々に変わっていくことが見て取れるようになっています。
各短編はどれもミステリとしては小粒な印象ですが、キャラの内面が非常に良く描かれているため全体としては非常に満足できる出来です。
「正体見たり」や「手作りチョコレート事件」では結末の苦さも味わうことが出来ますしね。
特に「手作りチョコレート事件」はこれまで謎だった里志が伊原の求愛を拒む理由が明らかにされるという、ファンには嬉しい一編です。
しかし何といってもファンにとって一番嬉しいのは、書き下ろしの「遠まわりする雛」でしょう。
これを読むためだけにこの本を買うだけの価値はあるし、また、これを読まずに次回作を読むことはできない。
それだけ古典部シリーズにおいて重要な意味を持つ短編です。

しかし意図的にこういう要素を排してきたと思っていただけに、今回こんな踏み込んだ記述をしたことでシリーズの今後の展開が気になると同時に心配になります。
というかもう、古典部シリーズに関しては苦い結末を迎えたら耐えられないかもしれない。
作品として凡作になることになっても、主人公たちには幸せになって欲しいですもん。
愚者のエンドロールを読んだ時にウザいとしか感じなかった主人公にここまで肩入れすることになるとは、自分でも意外ですけども。

そんなわけで、今後古典部シリーズが起承転結の「転」へと移行していくことを強く感じさせるこの作品。
果たして次回作ではどのような物語が展開されるのかー
わたし、気になります!
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テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 15:03    米澤穂信    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.29 Mon
クドリャフカの順番
えー、突然ですが皆さん、デスノートという漫画をご存知でしょうか?名前を書くだけで人を殺せ
るノートを駆使して新世界の神になろうとした少年の物語です。
死神のリュークなど個性的なキャラクターの多い作品ですが、中でも強烈なのは「L」でしょう。
強い個性を持つ「」。彼と同じ名前を持つキャラが古典部シリーズにも登場し
ています。そう、「わたし、気になります」が口癖の「千反田える」です。
一緒の名前のキャラがいるんだからそれを利用して面白い感想が書けるんじゃないかと頑張
ることしばし。到達した結論を言いましょう。
書けるかぁ、ボケー!

いやいや、頑張ったんですよ、これでも。
それなりにデスノートを知っている方には上の段落を見たら私の苦労を察してもらえるんじゃないかと思います。
ホントはね、これで感想を書ききるつもりだったんです。
でも適当な文章ならともかくこんな制約の下まともな感想なんて書けたもんじゃない。私の書く感想がまともかどうかは置いといて。
ものすごーく頑張ったら書けないこともないのかもしれないですが、どう考えても頑張りどころが違うだろってことになってきちゃいますからね。
ここはきっぱりとあきらめて普通に感想を書いていくことにします。
今回感想を書くのは、りんごしかたべない死神の話(びっくりするぐらい嘘)。


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古典部シリーズの第三作目。
これまでのシリーズ作において触れられてきた文化祭が舞台です。
手違いで作りすぎてしまった文集の完売を目指し、主人公は学内で発生した奇妙な連続盗難事件を解決しようと奮闘するーといった内容の話。
奮闘するといっても主人公は省エネ指向ですから、基本的には文集の販売員としてひたすら座っているだけです。
ですから主人公の視点だけで語ったんじゃ事件の全容が分からないし、そもそも文化祭の楽しさが全く伝わってこないことになってしまうので、多人数の視点を用いるのは半ば必然で。
主人公の他にえる、里志、伊原という古典部メンバーの視点が加わって、読者は色んな角度から文化祭を楽しめるようになっています。
全然動かない主人公の変わりに彼ら三人が物語を動かしていくことになるのですが、主人公は探偵として活躍しだすまで蚊帳の外に置かれるかというとそんなことはなく、座りながらも勝手に展開されていくわらしべプロトコルによって要所要所に絡んできます。
そしてほとんど座っていただけなのに、最終的には事件を解決してしまう。
今まで以上に(無自覚ながら)調子に乗った態度をとってしまったわけだから、謎を解いてしまったが故の苦さとして手痛いしっぺ返しを食らうんだろうーそう予想していると肩透かしを食らうかもしれません。
そう、この作品はシリーズでも異質なんですよね。
主人公以外が語り手になるのも異質なら、読後感も異質。
苦さがないんですよ、苦さが。

主人公ではなく里志と伊原の視点で語られる物語には苦さがあるんですよね。
でもそれはこれまでのような謎を解いてしまったが故に味わう苦さとは別物だし、最終的に主人公の視点でまとめられる物語はなんとも爽やかなものです。
だから読後感は苦くなく、実に爽やか。
そこに物足りなさを感じる方もいるかもしれませんが、私はこういうの嫌いじゃありません。
バッドエンドも味がありますが、ハッピーエンドにもまた違った味がありますからね。
それに今後どう古典部シリーズが展開していくのかは分かりませんが、仮に苦い結末を匂わせるような展開になった場合にはこういう爽やかな話があったことで苦味がより引き立ちますし。

とにかく、文化祭が何かしら絡んできたこれまでのシリーズの総決算として申し分のない出来で、非常に楽しんで読むことができました。
最初は苦手意識を持っていたこの古典部シリーズも、今ではシリーズ物の中で一番好きになっていますからね。
いやーホント面白かったなー

え?オチですか?
別にいいじゃない、オチぐらい。
→続きを読む

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 05:40    米澤穂信    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.28 Sun
愚者のエンドロール
ガンガン感想を書いていきましょう。
ガンガンって程のペースじゃないけど感想を書いていきましょう。
今回感想を書くのはこちら。


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古典部シリーズの第二作目。
昔読んで苦手意識を持っていたせいで氷菓を読んだ後もすぐには再読する気になれなくて、第三作目のクドリャフカの順番を読んでやっぱりこのシリーズは面白いなと安心してから読み直したんですが…もうね、何で苦手意識を持っていたんだろう。
超面白いのに。

とはいえ昔苦手意識を持っていた理由は分かるんですよ。
「二作目から読んでしまった」、それに尽きると。
二作目から読んでしまったせいで前作のことに触れる部分が出てきても疎外感を感じてしまうし、冒頭と終盤のチャットで出てくる「あ・た・し♪」が誰だか分からずもやもやとしてしまう。
そういうのが相俟ってどうにもキャラクターに感情移入できなかったんですよね。
そしてキャラクターに感情移入できなかったがために最後「真相」が明らかになっても「だから何?」としか感じず面白いと思えなかったんだと。
ーもっと詳しく言ってみましょう。
クラスで文化祭に向けてミステリ映画を作ってたんだけど脚本担当の生徒の病が原因で結末が不明のままになっているんでなんとかしてくれという依頼を受けて主人公たちが映画の結末を推理していくーという内容の本作。
バークリーの毒入りチョコレート事件を意識したという多重解決ミステリとしては映画の結末として提案される案の一つ一つがどうにも小粒な印象なので、最終的に主人公がこれだという映画の結末を導き出してもあまりカタルシスを得れません。
そして、キャラクターに感情移入できないとそのままもやもやした気分で読み終えることになってしまう。
でもね、ホントはそうじゃないんです。
キャラクターに感情移入できる状態で再読してみて分かりました。
主人公が映画の結末を導き出てからが本番なんだってことが。
そして、最後「真相」が明らかになることで、多重解決ミステリとしても青春小説としても素晴らしい出来になるってことが。

そんなわけで再読すると非常に楽しめた本作。
こんな感じで、読む順番や読んだ時期によって同じ本を読んでも感じる感想って違ってくるんでしょうね。
そう考えるとこのブログで書いている感想も後で読み返したら「的外れなこと言ってたな~」と思うことになるかもしれないですね。
でも、たとえ後で的外れと感じることがあるとしても、臆せず感想を書いていきたいと思います。
そう、だって僕らは、今を。今を生きているんだから…

あ、今のは30年後に読み返したら面白いオチです。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 21:24    米澤穂信    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.27 Sat
氷菓
ちょっと気を抜くとすぐ更新が滞ってしまうから困ったものです。
こんなペースじゃ九月中に米澤氏の既刊全ての感想を書き終えるのは到底無理そうです。
ここらでビシッと気合を入れないと。
もうね、逃げ場のないよう宣言しておきましょう。
残りの作品の感想を今日中ーというのはさすがに厳しいんで今日明日中ーというのもちょっとしんどいんで九月中ーいやいやもうちょっと余裕を見て十月中にーここまで来たらいっそ二十一世紀中にー絶対書き終わらせます!
うわー逃げ場無くなっちゃったー


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古典部シリーズの第一作目。
米澤氏の代表作でありながらこのシリーズは読むのを最後まで先送りにしていました。
というのも一番のお楽しみは最後に取っておく主義だからではなく、単純に苦手意識があったからです。
インシテミルの感想を書いたときに触れたんですが、この古典部シリーズの第二作目にあたる愚者のエンドロールは昔読んだときにあまり楽しめなかったんですよね。
そんな記憶があって、しかも古典部シリーズ以外の作品を読んでことごとく気に入っていたもんだから余計に手を出しづらくて。
幻想が消えるのって怖いじゃないですか。
折角古典部シリーズを意図的に排することで「米澤作品にハズレなし」という幻想を作り上げたのに、これを読んじゃうとそんな幻想木っ端微塵に消えてしまうかもしれない。
とはいえ米澤作品を全部読むと心に決めた以上避けては通れないわけで。
もしつまらなかったなら所詮幻想は幻想、真実ではなかったんだと納得しよう、そんなある種の覚悟を持ってこの作品に臨んだわけですがー

大丈夫、ちゃんと面白かった

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことは手短に」というモットーを持つ主人公が愚者のエンドロールではどうにも好きになれなかったんですが、この氷菓でもそこは同じで、最初は全然好きになれなかったです。
やらなくてもいいことならやらないと言いつつも、どう考えてもやらなくていいことを何かしらの理由をつけてやる。
やれ義理を立てない理由もないだの、他人がしなければいけないことを手伝うのは少しもおかしくないだの。
だったらもったいぶらずに最初からやれよと、その主義主張の一貫しなさにいらいらさせられっぱなしだったんですがー最後まで読み終えたときには何故か「こやつめハハハ!」と思えるようになっていたんですよね。
何故そう思えるようになったのかはいまいち自分でもはっきりとした理由が分かんないんですが、ミステリとして面白かったというのが大きいんじゃないかと。
昔(あくまでも昔)愚者のエンドロールを読んだときはミステリ的にもあまり面白いと思えなかったので主人公のウザさが鼻につくだけで終わってしまったのに対し、この氷菓ではミステリとしての面白さが主人公のウザさというマイナス要素を補って余りあるものだったために、逆に主人公が好きになっちゃったという。
まぁ好きになったというのは言い過ぎで、嫌いではなくなったって感じでしょうか。
こんな面白いミステリを提供してくれるなら主人公が多少ウザくても気にならないぜって感じ。

さてさて主人公のウザさが気にならなくなったってことしか言ってないんでいいかげん内容にも…と思ったんですが、良いですよね、もう。
そこは読んでのお楽しみということで。
とにかく氷菓から順に読んでたら昔の自分もこのシリーズに変な苦手意識を持たなかっただろうなってことを強く感じるんで、古典部シリーズは順番に読むことを強くお勧めします。
昔の私がそうだったんで言いますが、「氷菓」と「愚者のエンドロール」っていうタイトルだけ見たら愚者のエンドロールの方が俄然面白そうですよね。
だからって愚者のエンドロールから読んじゃうとその愚者のエンドロールも満足に楽しめないし、下手したら私みたいに古典部シリーズに苦手意識を持つことになりかねないんで注意してください。
あ、あともう一つ注意を。
この感想にオチなんてないです

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 04:19    米澤穂信    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.23 Tue
ボトルネック
今回感想を書くのは、米澤作品の中でもひときわ異彩を放つこちら。


ボトルネックボトルネック
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さよなら妖精インシテミル同様ノンシリーズものの本作。
米澤氏の既刊を一通り読み終わって(まだ古典部シリーズの感想を全く書いていませんが一通り読んでいます)分かったのは、ノンシリーズものはシリーズものと比較して実験的な要素が強いということです。

謎解きの無力さを痛切に描き切った、さよなら妖精。
記号的な設定・登場人物を用いてミステリという枠の中で遊んでみせた、インシテミル。
SF要素を取り入れて無能感の化け物を書いた、ボトルネック。

さよなら妖精以前の作品である氷菓、愚者のエンドロールと以後の作品とを比べると、その苦さがより深みのあるものになっているように感じます。
実験的な作品を書くことで著者は成長し、また、実験的な作品を読むことで読者は著者の新たな魅力を知るといったところでしょうか。
加えてノンシリーズものには著者の「凄味」があるように感じるんですよね。
挑戦するからには半端な作品は書かない、というか。
某奇妙な冒険風に表現すると
こいつには、やると言ったらやる………『スゴ味』があるッ!

そんなわけで、他のノンシリーズもの同様このボトルネックに私は大きな魅力を感じているんですが、ひょっとすると合わないと感じる人もいるんじゃないかと思ったり。
二年前に死亡した恋人を弔うため福井県東尋坊を訪れた主人公。
強い眩暈に襲われた彼が次に気付いた時、彼がいたのは生まれてこなかったはずの姉が自分の代わりに生活している世界だったー
という内容の話なんですが、ものすごーく要約すると主人公がひたすら打ちのめされる話ですからね。
元いた世界へ帰る方法を模索しているうちに二つの世界が微妙に違う原因や恋人の死の真相が分かる。もとい、分かってしまう
著者のこれまでの作品でも主人公達は「謎を解いてしまったが故に味わってしまう苦さ」というのを味わっているわけですが、それは全能感の裏返しとしての無能感であったわけです。
言うなれば、天狗になった鼻をへし折られる感じですね。
それに対して、この作品の主人公は全く天狗になっていませんからね。
鼻高々でなんかないのにこれでもかこれでもかとその低い鼻をへし折りに来られる。
全能感なんて味わう暇もなくただひたすら無能感にさいなまれる、そんな主人公の姿を見せられることに嫌悪感を抱く人がいても不思議じゃないです。むしろ、それがまともなのかも。
でもね、大好きです。
私は大好きですよ、この話。
他人の不幸を見るのが好きで好きでしょうがないからーではもちろんありません。
いくらでもご都合主義的な展開にできるのに、それを敢えてせずにとことんまで主人公を追い詰める。
そうして生まれた「凄味」、その味わいが格別なんです。

とにかく半端な気持ちじゃこの作品は書けなかっただろうと思います。
今までの作品の読者からは手放しでは歓迎されないかもしれないーそれでも書くし、書かなければならない。
そんな著者の覚悟に、ぼくは敬意を表するッ!

テーマ:SF小説 - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 23:20    米澤穂信    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.22 Mon
犬はどこだ
ちょっと間を空けてみたりワンクッション置いてみたりしてしまいましたが、またどんどん米澤穂信氏の作品の感想を書いていきます。
今回感想を書くのは、米澤氏の本の中で初めて成人が主人公を務めたこちら。


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S&Rシリーズの一作目に当たる本作。
といってもまだこの一冊しか出てないんですけどね。
シリーズ名のS&Rというのはサーチ&レスキューのことで、主人公の紺屋が開業した調査事務所「紺屋S&R」から来ています。
この紺屋S&Rが開業するに当たり想定した業務内容はただ一つ、犬探しーだったはずが、舞い込んで来た依頼は失踪人探しと古文書の解読。
紺屋と紺屋の知人で探偵に憧れるハンペーとがそれぞれの依頼を別々に担当することになるが、実はその二つの依頼は微妙にクロスしていてーといった感じの内容です。

これまでの米澤作品が日常の謎を扱ってきたのに対して本作は私立探偵もので、主人公の年齢層が違うことも相まってこれまでの作品とは大分雰囲気が違います。
でも、根底にあるものは同じというか。
これまでの米澤作品は主人公が高校生ということもあって青春小説としての側面がありましたが、そこでは青春の陽の部分だけでなく陰の部分も描かれて来たんですよね。
そしてその陰の部分の苦さこそが、米澤作品の「味」と言えるんじゃないかと。
この作品の主人公は思春期真っ盛りではありませんが、就職後に病魔に襲われてやむなく生まれ故郷に戻って来たという過去を持っています。
ひどい挫折を経験した主人公が、探偵稼業を営んでいるうちに失ってしまった気力を取り戻していく物語ーこれも一つの青春小説と言えるんじゃないかと。
そして青春小説だからこそ、やはりそこには「苦さ」がある。
米澤作品特有の、ミステリと青春小説が結びついた形式ならではの、謎を解いてしまったが故に味わってしまう苦さ
今回のそれもまた、格別の味わいでした。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 17:18    米澤穂信    Comment(2)   TrackBack(1)   Top↑

2008.09.17 Wed
女王国の城
さてさて、そんなわけで今回もまた米澤穂信氏の作品の感想を書いてーいかないんだなぁ、これが。
ひたすら米澤穂信氏の作品の感想を書いていくのかと思わせといて、裏切る。
どうですか、この意外性。
全く必要ないでしょう?


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今回感想を書く女王国の城は前作双頭の悪魔から実に15年7ヶ月ぶりとなる、学生アリスシリーズの第4作目です。
このミステリーがすごい!の2008年度版第3位であり、第8回本格ミステリ大賞受賞作。

双頭の悪魔が面白かったんで本作もすぐに読みたかったんですが、いかんせんハードカバーの本なもんでなかなか手が出せずどうしたものかなぁと思っていたところ、ひょんなきっかけでタダで読めることに。
そのきっかけとは図書館で借りたとかではなく、友人に借りたというものです。
孤島パズルと双頭の悪魔を友人に貸したら見事に学生アリスシリーズにはまり、その友人が勢いで買ったこの本を今度は逆に貸してもらったという形。
いやはや持つべきものは友人ですねーとか書いたらなんかやらしいですけども。
本を貸してもらってタダで読めるのも嬉しいですが、それ以上に嬉しいのは自分が面白いと思った作品を自分が薦めたのがきっかけで同じように面白いと思う人が増えたーその事実ですよ。
私がこんなブログをやっているのもそういうことを願ってですからね。
見知らぬ誰かが素晴らしい本に出会う、そのお手伝いがしたいー
はーい、ここテストに出ますよー

とまぁ、前置きはそれぐらいにして。
双頭の悪魔もたいがい分厚かったですが本作はそれ以上、二段組みで500ページあります。
しかも読み始めたのが双頭の悪魔を読み終えて4か月ぐらい経ち、面白かったという記憶はあっても細部は忘れかけているような時期ですから。
双頭の悪魔を読み終えた勢いで一気に最後まで読むぞーとはいかない。
もうホントとにかく全然事件が起こらない前半の展開は「これホントに面白くなるの?」って感じで、これがシリーズ作じゃなかったら途中で読むのをやめていたかも知れないぐらい厚さが苦痛ーだったんですけども、全ての伏線がつながるラストの怒涛の展開でそんな苦痛どっかに吹っ飛びましたよ。
面白いわー、これ。

犯人の動機だとか過去の密室殺人の真相とか、ちょっと微妙かなと思うところもありますが、とにかく徹底的に論理的思考をすることでようやく犯人に辿り着けるというのがたまんないです。
私は読者への挑戦は全く分かる気がせずそうそうに投げ出してしまいましたが、全力でこの挑戦に立ち向かっていても解けたとは思えないですもん。
かといって真相を知って「そりゃないぜ旦那~」と感じることはなく、「そうだったのか!」と素直に納得できる。
もーたまんないです。

そんなわけで、個人的には最後の最後まで読んで、やっぱり面白いわと感じたこの作品。
大量の伏線を張って回収するためにはこの厚さも仕方ないよなと納得はできるものの、厚くて良かった~とまではいかなかったです。
その辺りは長い間新作を待ってた人と感じ方が違うと思うんですけどね。
そう考えると新作がなかなか出ない方がより楽しめるのかなぁと思ったりもしますが、長く待たされると期待感が高まりすぎて逆に楽しめないのかなぁと思ったりもして、どっちがいいものか分かんないですね。
まぁ、そんな読んだ時の心配を今からしてても仕方ないんですけどね。
あとがきによるとこのシリーズはあと長編1冊と短編1~2冊で完結するそうですが、果たしていつ完結するのか、そして一体どんな結末を迎えるのかーわたし、気になります!

どうですか、このオチ。
全く関係ないでしょう?

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 23:57    有栖川有栖    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.15 Mon
夏期限定トロピカルパフェ事件
さてさて、そんなわけで今回もまた米澤穂信氏の作品の感想を書いていきますよ~
今回感想を書くのは前回取り上げた春期限定いちごタルト事件の続編、小市民シリーズ第二弾のこちら。


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…ちょっとばかし紹介するのが遅かった気がするけど気にしない。
さよなら妖精同様、日々の暮らしに転がるちょっとした謎を扱う日常ミステリー…ではないですよね。そうそう転がっているような謎じゃないし。
前作が連作短篇形式だったのに対し、本作は連作短篇集風の長編。

小市民シリーズは全四作で構想されているということで当然春夏秋冬にそれぞれ起承転結が割り振られるとばかり思っていたのに、二作目にしていきなりの「転」ですよ。
前作が高校一年の春の話だったのに本作でいきなり高校二年の夏休みの話になっておやっと思ってはいたんですが、まさか承をすっとばしていきなり転になるとは。
本作を読み終えたからこそなおさら承が読みたかったと思うのは私だけでしょうか。
小鳩君と小佐内さんが何故小市民を目指すことになったのかという過去に触れざるを得ない以上、だらだらと「小市民ごっこ」を続けさせるわけにはいかなかったのかなぁ。

小市民になるという徳目の下行動を共にしているわけだから、学校の外で行動を共にする必要は全くない。
なのに夏休み中一緒にスイーツ巡りをしようと小佐内さんが持ちかけるのは何故なのか?
そんな大きな謎を軸にして倒叙ものや暗号ものといったいろんなタイプのミステリを盛り込んだ本作。
そのサービス精神、そして雑然ているようでしっかりと調和がとれている様は、まさにパフェのよう。
ただ、そのパフェが甘くておいしいだけじゃないんだよなぁ

いやぁもう、気になることだらけですよ。
小鳩君と小佐内さんの関係はどうなってしまうのかーわたし、気になります!
小鳩君と小佐内さんの過去に何があったのかーわたし、気になります!
そもそもこの台詞で全部の感想にオチをつけるのは無理がないかーわた(ry

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yanbal1915 at 18:12    米澤穂信    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.13 Sat
春期限定いちごタルト事件
前回の更新で東川篤哉氏の作品の感想に一区切りがついたわけだから、これからはどんどん毛色の違う本の感想を書いていくんだろうーもしそんな予想をしていた方がいらっしゃたらスミマセン。
これからしばらくは米澤穂信氏の作品の感想がひたすら続きます。
ひたすらっていうのがどれくらいかというと、雑誌掲載短篇を除く既刊10冊のうち既に感想を書いているインシテミルさよなら妖精以外全部ということで、更新8回分
私の更新ペースを考えると下手したら9月いっぱいひたすら米澤穂信氏の作品の感想が続くことになるわけで、氏の作品に興味のない方にはつまらないことこの上ないとは思いますがどうかご容赦を。
というか、もういっそ好きになっちゃえばいいじゃない

さぁ、そんなわけでブログの閲覧者そっちのけの感想を始めていきますよ~
まずは小市民シリーズの第一作目に当たるこちらから。


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…ものすごく季節はずれな感じがするけど気にしない。
さよなら妖精同様、日々の暮らしに転がるちょっとした謎を扱う日常ミステリです。
長編ではありませんが、各短編に繋がりがあるという連作短編形式になっています。

小鳩君と小佐内さんという恋愛関係にも依存関係にもないが互惠關係にある二人の高校生を主役に展開する小市民シリーズ。
なぜ小市民シリーズかというと、この2人が共通して掲げる徳目が「小市民たれ」だからです。
小市民たらんとする以上、探偵をするなんてもっての他ーなのに気がつけば謎を解く必要に迫られる小鳩君。
積極的に謎解きをしようとしないとはいえ探偵としての能力は高く、けっこう難解な謎でもあっさりと解いてしまいます。
特に「おいしいココアの作り方」で見せる推理のキレはすばらしい。
消えたポシェットや意図不明の二枚の絵、割れたガラス瓶といった謎も彼にかかれば謎でさえない。見事な名探偵ぶりです。
とはいえポシェットが消えたりビンが割れたりと扱う謎はちょっぴり地味目。
「怪奇!消えたポシェット」「二枚の絵、今浮かび上がる驚愕の真実!」「割れたガラス瓶ーthe broken glass bottleー」ーそれっぽく言ってみようとしてもやっぱり地味。どうしようもなく地味です。
でも扱う謎が地味だからって楽しめないかというと全くそんなことはなく。
扱う謎は地味でもきちんと論理的な推理を行ってくれるのでミステリとしてしっかりと楽しむことができるし、あまり興味を惹かれないような謎でもキャラクターの魅力でぐいぐい読み進めさせてくれます。

全四作で構想されているシリーズの第一弾という位置付けながら、単なるキャラクターの紹介に留まっていない本作。
果たして彼らは小市民の星を掴み取ることができるのかーわたし、気になります!
あ、ごめんなさい、これは違うシリーズでしたね。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 23:59    米澤穂信    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.09 Tue
館島
ここしばらくの更新ではひたすら東川篤哉氏の"烏賊川市シリーズ"の感想ばっかり書いていました。
それも前回交換殺人には向かない夜で終わり、これでようやく毛色の違う本の感想をーと思った方、スミマセン、もうしばらくお付き合いを。
シリーズ外の単発作品、「館島」の感想をまだ書いていないですからね。
この感想をもって一旦東川氏の作品の感想に一区切りつけたいと思います。


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巨大な螺旋階段の下で息絶えていた館の主。
転落死ではなく墜落死という不可思議な死因。
半年後、未亡人によって再び館に事件関係者が集められたとき、新たな惨劇が始まるー

( ゚∀゚)o彡°やかた!やかた!
( ゚∀゚)o彡°ことう!ことう!

ひゃっほーい館ものだぜーいしかも孤島ものだぜーいというわけで、私の大好物の館もの&孤島もの。
館ものということでいかにも怪しい雰囲気を纏った館が出てくるかと思いきや、そこはやはり東川氏の作品。怨念がこもってそうな雰囲気は全くありません。
まぁ登場人物いわくラブホテルっぽい外見の館なんで、怪しいっていやめっちゃ怪しいんですけどね。

で、そんな怪しいというかいかがわしい感じの館で当然のように起こる事件に巻き込まれるのはもちろん烏賊川市シリーズでおなじみの人物たちーではなく、シリーズ外の単発作品ということで全員新キャラです。
といっても、ものすごくどこかで見たことのあるようなキャラ達なんですけどね。
間抜けな刑事や勝気な女探偵、お金持ちのお嬢さんーなんか、肩書きが変わっただけのような気がしないでもないですが気のせいですよね、多分。
で、探偵役の朱美さんーもとい、小早川沙樹が事件の解決に向けて奔走する、と。

魅力的なキャラ達のおバカな言動が実は大事な伏線になっているというのが東川氏の作品の特徴かと思いますが、この作品も同様。
というか、烏賊川市シリーズよりもその特徴が顕著なように感じました。
更にはどことなく地味な感じの印象の事件が多かった烏賊川市シリーズに対して本作ではど派手なトリックが炸裂していて、シリーズのキャラ達と似たような感じのキャラが活躍していることも相まって交換殺人には向かない夜とは違うシリーズの別の進化形を見たような感じを受けます。
198X年という時代設定や館の存在にもちゃんと意味があり、派手さの中に地味ながら良い仕事が見受けられる本作は、東川篤哉氏の作品に初めて触れるにはもってこいです。
これを機会に是非とも氏のユーモアミステリの世界を覗いてみて欲しいですね。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 15:52    東川篤哉    Comment(4)   TrackBack(1)   Top↑

2008.09.08 Mon
交換殺人には向かない夜
密室の鍵貸します密室に向かって撃て!、そして完全犯罪に猫は何匹必要か?と続いてきた東川篤哉氏の"烏賊川市シリーズ"の感想シリーズ。
ちょっとばかし間が空いてしまいましたが、今回感想を書くこの作品で現在出ているシリーズは一通り網羅したことになります。


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浮気の調査で山奥の邸に潜入した鵜飼と朱美。
知り合いの令嬢の誘いでその令嬢の友人が持つ山荘を訪れた流平。
殺人事件の捜査を行う志木刑事たち。
別々の場所で、全く無関係に夜を過ごしている彼らの周囲で交換殺人がー

といった内容の本作。
そもそも交換殺人っていうのは、「鉄壁のアリバイが崩せない」「実は交換殺人だったんだよ!」「な、なんだってー!!」(AA略)って感じの代物で、交換殺人が行われていたということに驚かされるのが一般的だと思うんですが、本作ではタイトルで交換殺人が行われるんだよってことが明示されています。
交換殺人をやるんだよって明示しておいてどう読者を驚かせてくれるのか。
交換殺人だってことが明らかになる時のインパクトを敢て犠牲にしてまで何をしようというのか。
そうわくわくしながら読み進めていったわけですが…なるほど、こうきたか

私が東川篤哉氏の作品に魅力を感じるのは、ミステリ部分とユーモア部分という二つの軸があるからだと思います。
二つの軸があるから、どっちかの軸が多少イマイチに感じるものであってももう片方の軸良ければカバーできるんですよね。
ミステリー部分の不満をユーモア部分の出来で消し飛ばしてしまった密室に向かって撃て!なんかがその最たる例かと思います。
ちなみにシリーズの他の作品はというと、
密室の鍵貸しますはミステリ部分は普通、ユーモア部分はなかなか良い、
完全犯罪に猫は何匹必要か?はミステリ部分は(あんまり興味を引かない事件ではあるものの)なかなか良くて、ユーモア部分が微妙
っていう感じ。
もちろんあくまでも「私にとっては」なんで、異論反論があるのは百も承知です。
ーでは、この交換殺人には向かない夜はどうなのか。
ユーモア部分は普通、ミステリー部分は最高、です。

ミステリー部分の面白さを詳しく述べようと思うとネタばれになりかねないので難しいですね。
交換殺人をやるんだよって明示しておいてどう読者を驚かせてくれるのかー明示しているからこそ驚くんですよね、これが目くらましになって。
交換殺人だってことが明らかになる時のインパクトをあえて犠牲にしてまで何をしようというのかーそもそも犠牲にしてないし
「交換殺人」であることを前面に押し出すことで読者をまんまとミスリードさせてしまうこの手法、見事としかいいようがないです。…ホント、こうきたか

そんなわけで、ミステリー部分が一級品のこの作品、ユーモア部分はシリーズものの宿命「慣れ」のため最高に面白いとはいきませんが、物語を牽引してくれるには十分です。
ユーモア部分だけが売りだとシリーズが続くにつれ慣れられてじり貧になりかねないですから。
ユーモア部分に期待して読み始めたこのシリーズですが、ここでミステリ部分の面白さを見せつけてもらえて良かったです。
まだまだこのシリーズに期待することができますからね。
ただ、石崎幸二氏のミリア&ユリシリーズの愛好家のように、6年待たされるのは勘弁…
交換殺人には向かない夜、2005年9月刊行ー
そろそろ、よろしくお願いします。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 18:16    東川篤哉    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.09.03 Wed
完全犯罪に猫は何匹必要か?
密室の鍵貸します密室に向かって撃て!と続いてきた東川篤哉氏の"烏賊川市シリーズ"の感想シリーズ。
今回感想を書くのはシリーズ第三作目に当たるこの作品です。


完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫)完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫)
東川 篤哉

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東川篤哉氏の名前を全く知らなかった時にタイトルから受ける印象だけで購入しかけた本作。
購入しなかったとはいえ興味を引かれた作品なわけですから、この作品が面白いかどうかは自分の直感が当てになるかどうかを知る一つの指標になるわけです。
そんなプレッシャーを知らず知らずのうちに感じていたのか、はたまた第二作目が面白かったためにハードルを上げてしまっていたのか。
…はっきり言いましょう、正直この作品はあんまり好きじゃないです

何故好きじゃないのかっていうと、笑いの密度が低いからーそれに尽きます。
人によっては普段が無駄に笑いを詰め込み過ぎなんだよこれぐらいがちょうど良いんだよって感じるかもしれません。
でも私はこの著者の、これでもかと畳みかける笑いの量でぐいぐい物語に引っ張り込んでくれるところに最も魅力を感じていたんですよね。
だからこそ事件そのものがあまり興味を持てないような、言うなれば地味な事件でも、一気に読み進めることができたわけです。
ところがその「笑いという推進力」が弱まってしまうと、事件が興味深いものじゃなければなかなか続きが気になって仕方無いなんてわけにはいかなくなる。
今回の事件、特にメインとなるビニールハウスでの殺人事件ーどうにも超スゲーマジ気になるぜよ的代物(語彙無さすぎるだろ)ではないんですよね。
そうなると読むのがなかなか進まない。だから、ミステリーとしてよくできているのにあんまり面白いという印象を持てないんですよね。
ん~、ホント、もうちょっと警官コンビがはじけてくれたらなぁ

というわけで、個人的にはあんまり好きではない本作品。
後々シリーズがどういう展開を見せるか次第ですが、とりあえず現状ではこの作品にはシリーズで新たに活躍しそうな登場人物もいなく、次作でちょっろと事件のことが触れられる程度なので、読まなくてもシリーズを読む上で支障はないことからも、個人的にはあんまりお勧めしません。
ただ、先にも述べた通りこれぐらいの笑いの密度がちょうど良いとかんじる人もいるでしょうし、何を面白いと感じるかも人それぞれですからね。
こんな妄言に惑わされず、自分の目で確かめてみるのがいいかと思います。
大体私、猫あんまり好きじゃないですからね。
これがもしヤンバルクイナが大量に出てくる物語だったら、多分手放しで褒めています。
そんなもんです。
にんげんだもの。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 23:58    東川篤哉    Comment(0)   TrackBack(1)   Top↑

2008.09.01 Mon
密室に向かって撃て!
密室の鍵貸しますから始まった、東川篤哉氏の"烏賊川市シリーズ"の感想シリーズ(ややこしいな)。
今回感想を書くのはシリーズ第二作目に当たるこの作品です。


密室に向かって撃て! (光文社文庫 ひ 12-2)密室に向かって撃て! (光文社文庫 ひ 12-2)
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前作から登場するシリーズのメインキャラクター、砂川警部と志木刑事の警官コンビが失態を犯したせいで、平和な烏賊川市は一転どこで誰が拳銃をぶっ放してもおかしくないという危険都市に。
そして次々と凶弾の前に倒れていく烏賊川市民。
しかも二人目の犠牲者は「衆人環視の密室」で殺されていて…?

といった内容の本作。
一人目の犠牲者はホームレスなんですが、主要キャラの鵜飼探偵の知り合いという設定を持ち前作でも事件に絡んで来ていたんでてっきりこれからも物語に絡んでくると思っていたら、ここでまさかの再起不能。
その代わりのように、前作ではちょい役だと思っていたアパートのオーナー、朱美さんがまさかのレギュラー入り。
正にホームレス涙目って感じですが、まぁ読者としても小汚いおっさんよりも小奇麗なおねえさんの活躍を見たいですからね。
実際本作や以降のシリーズを読むとここで朱美をレギュラー入りさせたのは大成功だったと思います。
朱美の他にも良家のお嬢さんであるさくらさんや、以降のシリーズで探偵と依頼人を繋げるという地味ながら大事な仕事をやってのける十乗寺十三など、シリーズの主要キャラが揃い踏みする本作は、シリーズを読む上では避けては通れません。
というか、シリーズを読むための通過点として本作を捉えるのはあまりにもったいないですからね。
ぶっちゃけ、個人的にはシリーズで本作が一番好きですもん。

といっても、本作でメインの事件として扱われる衆人環視の密室はやべーこれまじスゲー的な代物(語彙なさすぎるだろ)ではありません。
いや、もちろん撃たれた銃弾の数のトリックなど、トリック部分はしっかりしているんですよ。
ただ、いかんせん犯人が分かりやすすぎる。
このシリーズは「フーダニット」に重きを置いてはいないとは思うんですが、あまりに犯人が分かりやすすぎると驚きがなくて物足りない。
じゃあミステリー部分にそこまで魅力を感じていないのに、何故シリーズで一番好きな作品なのか?ーもちろん、ユーモア部分にすごく魅力を感じているからです。

鵜飼探偵に戸村流平という駄目人間コンビに朱美が加わって、探偵サイドのハチャメチャぶりはすごいものがありますし、失態を犯したことで吹っ切れたのか刑事コンビもシリーズ屈指のハジケっぷりを発揮し、更には恥ずかしがり屋のさくらさんの理不尽な暴力が炸裂するという、これでもかと畳みかけてくる笑いに圧倒されます。
以降のシリーズでは刑事コンビがちょっぴり大人しくなってしまっているんで、このような圧倒的な密度の笑いを味わえるのは最初で最後かもしれないですからね。
これを読まずに何を読むのかって感じですよ、ええ。
え?純粋理性批判?資本論?
なんか、すみませんでした。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 17:26    東川篤哉    Comment(1)   TrackBack(1)   Top↑

2008.09.01 Mon
2008/8月 読了本
突発的な思いつきで、これから毎月「先月読み終えた本のリスト」を公開していくことにします。
まぁ、何の価値も無いデータなんですが、読み終えてから感想を書くまで時間が掛かってしまう本が今後どんどん出てくるかと思いますんで、そのうちこの本を感想を書くんだろうなぁとか、こんな順番で本を読んでたのか~等々、何らかの参考にしていただければ幸いです。
→続きを読む

テーマ:読んだ本 - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 00:33    先月の読了本    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

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