齢20を過ぎて初めて日常的に本を読むようになった読書の初心者の、気ままな読書履歴です。ミステリ中心。
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米澤穂信部
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2008.10.13 Mon
I LOVE YOU
このブログは主にミステリ小説の感想を扱っていますが、それは単純に私がよく読む本のジャンルがミステリであるというだけで、ミステリ以外のジャンルは扱わないかというと全然そんなことはありません。
前回感想を書いた本もミステリじゃないですしね。
ミステリ以外もたまには読むし、感想も書くんだよというわけで、今回感想を書く本もミステリじゃありません。恋愛小説


I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)I LOVE YOU (祥伝社文庫 ん 1-42)
伊坂 幸太郎

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伊坂幸太郎や石田衣良、本多孝好といった総勢六人の男性作家によるアンソロジーです。
伊坂氏が恋愛ものを書くというイメージは無かったんで一体どんなものかと興味を持って購入したんですが、恋愛小説っていうのはまず読まないジャンルですからね。
「I LOVE YOU」なんていうド直球のタイトルを冠した短編集を果たして楽しめるものなのかとちょっぴり不安だったんですがーいやはや、全く杞憂でしたよ。

やっぱり伊坂氏ですから、ど真ん中のストレートは投げてきません。
石田衣良氏の短編なんかはモロにど真ん中のストレートって感じですが、伊坂氏他多くの短編はど真中をはずして外角高めいっぱいやインサイドぎりぎりに放り込んできた感じです。
要は、恋愛小説って聞いて私がイメージしていた「読んでるこっちが恥ずかしくなるような甘ーい話」はむしろ少数派だった、と。
それでもどの短編もこれは恋愛小説以外の何物でもないよな〜と感じるんで、ボール球ではないんですよね。
いや〜ホント、恋愛小説って実はすごく懐が深いんだなぁと実感させられましたよ。
石田衣良氏のものすごく甘ーい話も実はすごく気に入ってたりするんで、ヤバイ、ちょっと恋愛小説にはまりそうですよ。

恋愛小説の奥の深さを感じさせる、粒ぞろいな短編たち。
伊坂・石田両氏の短編も面白いんですが、何よりも中田永一氏の「百瀬、こっちを向いて」と中村航氏の「突き抜けろ」が秀逸過ぎます。
どちらも初めて読む作家さんだったんですが、その存在を知ることが出来て良かったです。
他の作品も是非とも読んでみたいですもん。
いやーホント、一発で好きになってしまいましたよ。
「あなたたち」という意味でYouを使って、正にI LOVE YOUです(キリッ


収録作品
伊坂幸太郎「透明ポーラーベア」・石田衣良「魔法のボタン」・市川拓司「卒業写真」・
中田永一「百瀬、こっちを向いて」・中村航「突き抜けろ」・本多孝好「Sidewalk Talk」

テーマ:恋愛小説 - ジャンル:小説・文学
yanbal1915 at 03:34    アンソロジー    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.10.12 Sun
秘密。―私と私のあいだの十二話
さてさて。
しばらく本の感想以外のエントリが続いていましたが、これからは通常通り本の感想を書いていきます。
安楽椅子探偵関連のエントリを書く前は倒叙形式のミステリの感想が続いていましたが、今回は全然タイプの違う本の感想を。
以前トラックバックを頂いた縁でちょくちょく覗きに行かせて頂いていた読書三昧さんのブログで紹介されていて、非常に興味を引かれて購入した本です。


秘密。―私と私のあいだの十二話 (ダ・ヴィンチ・ブックス)秘密。―私と私のあいだの十二話 (ダ・ヴィンチ・ブックス)
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有栖川有栖や伊坂幸太郎、森絵都といった総勢十二人の作家によるアンソロジーです。
特徴的なのは、一つの出来事に対して別の視点からみた二つの物語が語られるという点。
こういう別の視点から見ることで同じ世界が全く違った見え方をするという趣向がイニシエーション・ラブなどを読んで非常に気に入っていたので、面白くないわけがないと存在を知った時点で即買いしたんですが…やはり期待に違わずすごく面白かったです。

読んでて妙に電話が出てくる話が多いなと思っていたら、どうやら収録されている短編のほとんどが日本テレコムShortTheater「心をつなぐ言葉たち」で掲載されたものらしいです。
ー日本テレコム…惜しい会社を無くしたものです。
(いやまぁ、名前が無くなっただけで会社としては無くなってないですけどね)
スポンサー絡みとはいえ、電話という媒体を用いたのは大正解だと思います。
声だけで繋がって互いの姿は見えないというのは、この趣向にうってつけですからね。
別の視点から見ることで感じる感覚も各短編で異なっていて、非常に面白いです。
優しい気持ちになれたり痛烈な皮肉を感じたり、大笑いしたり…
登場人物たちがお互いには決して知りえない秘密の味は、格別でした。

そんなわけで、内容が素晴らしい本作。
更に素晴らしいことに、本としても素晴らしいんですよ。
表紙のデザイン、帯のデザイン、本の質感、著者のサインと、各所に挿入される写真。
全てが私のストライクゾーンにドンピシャです。
いやホント、ここまで完璧に自分の好みに合った本が存在するなんて驚愕です。
ひょっとしてこれ、ホントは「私と私のあいだの十三話」なんじゃないですかね?
完璧に自分好みの本を手にした男。
しかし、別の視点から見てみると…


著者一覧
吉田修一・森絵都・佐藤正午・有栖川有栖・小川洋子・篠田節子・
唯川恵・堀江敏幸・北村薫・伊坂幸太郎・三浦しをん・阿部和重

テーマ:短編小説 - ジャンル:小説・文学
yanbal1915 at 01:21    アンソロジー    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.10.11 Sat
安楽椅子探偵と忘却の岬 犯人はお前だったのか
私の住んでいる地域では先ほど安楽椅子探偵と忘却の岬の解決編の放映が終わったので、それを踏まえて感想を書いておきたいと思います。

解決編の内容に思いっきり踏み込んだ内容を書いていくんで、ネタばれがあっても良いという方のみ続きをお読み下さい。

テーマ:安楽椅子探偵 - ジャンル:テレビ・ラジオ
yanbal1915 at 04:49    安楽椅子探偵    Comment(2)   TrackBack(2)   Top↑

2008.10.08 Wed
安楽椅子探偵と忘却の岬 犯人はお前だ(とは限らない)
安楽椅子探偵と忘却の岬の解答期限を過ぎたんで、解決編が放映される前に自分なりに推理をした結果を公表しておきます。
正直絶対間違えている自信があるんですけども。
まぁせっかく頑張って推理してみたんだから披露しておきたいじゃないですか。
後出しジャンケンで俺分かってたんだぜ〜と言えないように自分を戒めるためにも、ね。

そんなわけでこれから安楽椅子探偵と忘却の岬の内容に思いっきり踏み込んだ内容を書いていくんで、問題編を見ていない、解決編をまっさらな気持ちで見たい、といった方はここでお帰り下さいませ。
問題編のネタばれがあっても良くて、まぁお前ごときが真相に辿り着けるわけがないのは分かっているけどとりあえず真相とやらを聞かせてみ?という奇特な方のみ続きをどうぞ。

テーマ:安楽椅子探偵 - ジャンル:テレビ・ラジオ
yanbal1915 at 04:27    安楽椅子探偵    Comment(0)   TrackBack(0)   Top↑

2008.10.06 Mon
容疑者Xの献身
前回のエントリを書き始めた段階では感想を二個続けて書く気満々だったんですが、感想を書き終えたときには疲れ切って到底そんな気にはなれなかったです。
そんなわけで昨日は安楽椅子探偵の推理に挑戦するために更新はお休みっていう形になってしまいまして、更新を楽しみにしていらっしゃった方には申し訳なかったです。
しかし更新を休んで推理に集中していたわけですから、安楽椅子探偵の真相にはそれはもうー全く到達出来ていないです、ハイ。
前提が間違えているアリバイに何の意味もないんだよ〜ということには気付いたんですが(まぁそれも全然見当外れかもしれないんですけども)、犯人を絞り込むまでには至っていません。
なんかもう、全然解ける気がしないんですけども、とりあえず期限まで考えてみてその後このブログで自分がどこまで解けた(と思い込んでいるか)を発表してみたいなと思っています。

さてさて、それでは安楽椅子探偵の話はこれぐらいにして本の感想に移っていきましょう。
前回前々回と倒叙形式のミステリーの感想を書いていましたので、今回もその流れに沿ってこちらの本を。


容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7)
東野 圭吾

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『本格ミステリベスト10 2006年版』『このミステリーがすごい!2006』『2005年「週刊文春」ミステリベスト10』においてそれぞれ1位を獲得し、第6回本格ミステリ大賞、更には第134回直木賞も受賞した2005年を代表する作品です。
話題になっていた当時にはハードカバーの本ということで手が出せなかったのですが、今年の8月に文庫化されてようやく読むことができました。
完全に話題に乗り遅れた形になるかと思いきや、探偵ガリレオシリーズがドラマ化されてヒットし、今まさにこの容疑者Xの献身の映画が放映中という状況ですからね。
まぁ映画化に合わせて文庫化されたんだろうことは容易に想像つきますけども、普段新刊はあまり読めないのでこうして話題になっている時に読めるのはちょっぴり嬉しいです。
といってもドラマも映画も全く見ていないし今のところ見るつもりもないんで、話題の中心からはちょっとずれてるんですけどね。

この容疑者Xの献身は探偵ガリレオ、予知夢に続く探偵ガリレオシリーズの第三弾なんですが、私は第一弾の探偵ガリレオは読んだものの予知夢は読んでいません。
なので予知夢がどういう内容なのかは分かんないんですが、探偵ガリレオを読んだ印象からこのシリーズは超常現象チックな事件を科学的に解明するものだと思っていたんですよね。
だから容疑者Xの献身に全然オカルトチックなところがなかったのは意外でした。
シリーズ初の長編ということで毛色が多少変わるのは分かるんですが、ここまで変わるともうシリーズものとは言えないんじゃないかと思ったり。
まぁそりゃあ天才物理学者湯川を中心とするシリーズキャラが登場しているんでシリーズものということになるんでしょうけども、この作品に関しては別に湯川が登場しなくても成り立つんじゃないの?って気がするんですよね。
天才物理学者と天才数学者の知恵比べという構図が成り立てばいいわけですから。
天才数学者の石神っていう人物が湯川の古い友人にいるっていう伏線がシリーズ中にあったっていうなら別ですけども、今回が初登場だっていうならねぇ。
私は探偵ガリレオを読んでいたんでシリーズのメインキャラクターがどんな奴なのかはそれなりに分かったわけです。
でも、中にはこれがシリーズ初体験という方もいるわけで。
シリーズを未読でも十分楽しめると思うんですけど、最大限楽しもうと思ったらやっぱりキャラにある程度馴染みがあったほうが良いと思うんですよ。
これがもしノンシリーズの長編だったら誰もが最大限楽しめるわけですから、シリーズものである必然性がないのならシリーズにしない方が良かったんじゃないかと、そう思うんですよね。
そんな風に思ってしまうのも、この作品が非常に面白かったからなんですけども。

倒叙形式のミステリーということで、犯人が誰かは明らかとなっています。
娘・美里とアパートで二人暮らしていた花岡靖子。
彼女にひっそりと想いを抱く天才数学者の石神。
靖子の元夫、富樫慎二を突発的に殺してしまった彼女たち二人を救うために石神は完全犯罪を企てるーという流れ。
ただ、どのようにして完全犯罪を成し遂げようとしたのかというメイントリックは終盤まで明らかにされることはなく、トリックが明らかにされる面白さがあるというのは先に感想を書いた二作品とは大きく異なるところです。
しかもそのトリックというのが、顔のない死体が出てくるところからすぐに想像つくものから一捻りされており、単純だけどなかなか気づけない、だから明らかにされたときに非常にカタルシスを味わえるという絶妙な出来。
更にそのトリックを成り立たせるためには正に「献身」が必要なため、その純愛っぷりに圧倒されます。
ただあまりにも純愛過ぎてもはや理解できない領域になっていたんで、読み終えて抱いた感情は「感動」ではなく「慄然」だったんですけどね。
とにかくその徹底的な献身ぶりが作り出す迫力は凄まじく、大いに堪能させていただきました。
ホント、あまりに凄まじすぎて読み終えて大分経つのにまだ心が落ち着かないですもん。
感想もオチ付かないですもん。

…ハイ。

テーマ:推理小説・ミステリー - ジャンル:本・雑誌
yanbal1915 at 19:38    東野圭吾    Comment(2)   TrackBack(2)   Top↑